徳川八代将軍・吉宗の時代。ある日、大奥お年寄・藤尾宛へ、紋之助という役者の入ったつづらが届けられた。早速大目付・矢野伝八郎の取調べが始まり、藤尾には身の覚えがないことであるが、御用屋敷にお預け、藤尾に仕えるおこうは江戸城追放の処分となった。そして藤尾の後任には竹川が抜擢され、竹川は自分の下で働くお静に吉宗の伽を勤めさすようにした。一方、藤尾の下にいたおるいとおせちは、この度の一件で誰が藤尾を陥し入れようと計ったのか突きとめようと苦心していた。数日後、おこうが大奥の入口を警護する成島伊助から紋之助の相手をしていたのは「左の内股に大きなほくろのある女中」ということを聞き出した。その情報はおるいとお...